2011年02月07日

消費税の免税事業者について 税制改正でこうなる

平成23年度税制改正大綱で

① 消費税の事業者免税点制度における免税事業者の要件について、次の見直しを行います。

イ 個人事業者のその年又は法人のその事業年度につき現行制度において

事業者免税点制度の適用を受ける事業者のうち、次に掲げる課税売上高が1千万円を超える事業者については、

事業者免税点制度を適用しないこととします。
 
(イ) 個人事業者のその年の前年1月1日から6月30 日までの間の課税売上高
(ロ) 法人のその事業年度の前事業年度(7月以下のものを除く。)開始の日から6月間の課税売上高
(ハ) 法人のその事業年度の前事業年度が7月以下の場合で、その事業年度の前1年内に開始した前々事業年度があるときは、当該前々事業年度の開始の日から6月間の課税売上高(当該前々事業年度が5月以下の場合には、当該前々事業年度の課税売上高)

ロ イの適用に当たっては、事業者は、イの課税売上高の金額に代えて所得税法に規定する給与等の支払額の金額を用いることができることとします。

ハ イに該当することとなった場合にはその旨の届出書を提出することとする等の所要の措置を講じます。

(注)上記の改正は、上記のその年又はその事業年度が平成24 年10 月1日以後に開始するものについて適用します。

というのがありますが、最初目にしたときは、ピンと来なかったのですが、設立後(資本金1000万円未満の会社や個人)は、

2年間は、免税事業者になるのですが、それを悪用しないようにという意図による改正です。

課税逃れのスキームは、以下のとおり

人材派遣会社(A)が資本金1000万円未満の子会社(a)を設立します。そして

人材派遣社員は、その子会社(a)と雇用契約をします。

子会社(a)は設立して2年は、免税業者となり、消費税の納税義務は生じない。

2年後、子会社(a)を解散して、また新たに子会社(b)を設立、派遣社員をその子会社(b)に転籍!

子会社(b)も2年間免税業者となり消費税の納税義務は生じない。

子会社を解散、設立を繰り返すというスキームです。

当然人材派遣会社(A)は、子会社に委託料を払っているので、仕入税額控除をうけることができ、納める消費税を圧縮でき、

子会社は、設立後2年間は、免税業者なので消費税を納める必要がなし・・。

このようなことを防止するように改正が入っています。


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Posted by 税理士 内山篤  at 18:45Comments(0)消費税

2010年08月24日

消費税・・・課税資産の譲渡等とは

消費税ってどのようなものにかかってくるでしょうか?

税法では・・・

消費税の課税対象は、

①「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等(資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供)」と

②「保税地域から引き取られる外国貨物」とされています。

前者は国内取引、後者は輸入です。

消費税は、あくまで「国内消費税」という位置づけがなされているので、国外取引は課税対象外(不課税)ということになります。

したがって、納付すべき消費税は、

原則、国内における課税資産の譲渡等に係る消費税から国内における課税仕入れ

又は保税地域から引き取る課税貨物に係る消費税の合計額を控除して算出します。

控除不足額が生じれば、消費税額は還付です。

最近では、中小企業でも第三国間取引や海外での事業活動(現地調達、現地生産、現地販売等)

の比重が増え、国内の本店は指令機能しか有しない場合もあります。

極端なケースでは、国内での課税資産の譲渡等に係る消費税がほんどなく、

本店の事業は、金融資産の運用益たる受取利息といった、非課税売上のみということにもなりかねません。

このような場合、国内での課税資産の譲渡等に係る消費税額がないので、

国内における本店運営費等(人件費を除く)の課税仕入れに係る消費税額が控除できなくなるのではないかという懸念があります。


課税売上割合は、国内における資産の譲渡等の対価の額の合計額と国内における課税資産の譲渡等の対価の合計額とをベースに計算することになっています。

一方、課税資産の譲渡等とは、非課税売上として消費税法6条に規定されているものを除き、

その譲渡等の場所が国内、国外を問わないことになっています。

したがって、国外での事業収入のほとんどが課税資産の譲渡等に該当します。

それゆえ、国内での課税資産の譲渡等に係る消費税額がなくても、

個別対応方式により(課税売上割合が95%に満たない場合の仕入れ税額控除の規定)、

国内における課税仕入れに係る消費税については、

「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入」として、その関連付けを明確にすることにより仕入税額控除が可能です。

これは、私が税理士試験の勉強中でも、繰り返し確認した覚えがあります。  


Posted by 税理士 内山篤  at 11:59Comments(0)消費税

2009年10月22日

マンション節税に黄信号 自販機設置で消費税還付?

先日の日経新聞にも載っていた記事ですが・・

マンション建設の消費税還付に関するものです。

会計検査院は賃貸マンション経営で租税回避を行う手法が横行しているとし、

国税庁に実態調査を要請しました。

これは飲料水などの自動販売機を設置して、「消費税の還付」を受けるというもの。

「法に抵触しない」として一部に広まっていた節税スキームに、どうやら黄信号がともったようです。

マンションやアパートなど賃貸物件を経営する場合、建設にかかる消費税は還付されません。

なぜならば、住居用賃貸物件の賃料は非課税とされ、

計算の基になる売上げ消費税がないからです。

そこで、不動産税務に詳しい税理士らが、「この消費税が還付される」として喧伝してきたのが、

「自販機の設置」です。

具体的には、消費税の仕入税額控除の「95%ルール」を使うというもの。

「95%ルール」とは、仕入税額控除の計算上、課税売上げ割合が全売上げの95%以上を占めれば、

事業にかかる仕入れ消費税額の全額を控除できるという制度です。

初年度の賃貸経営売上げをゼロにして自販機売上げのみとすれば、自動的に課税割合は100%。

そこで、「自販機の仕入れ消費税」に「賃貸経営の仕入れ消費税」、つまり建設にかかる消費税も含めた消費税全額を差し引くことができます。

今回の会計検査院の要請を受けて国税庁は、法改正もにらんで調査する意向です。

改正内容は、

①仕入税額に上限を設ける
②仕入税額控除の税額調整を免税業者にも適用
③単純に自販機の売上げを認めない

――などが考えられているようです。

今後の動きに注目したいですね。


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Posted by 税理士 内山篤  at 21:40Comments(0)消費税

2009年09月28日

消費税の還付っぽい話 医師会の要望

輸出販売をしていますと、消費税の還付の手続きが出てきます。

というのは、輸出販売は、消費税が課税なのですが、

ゼロ%課税です。

ですので、輸出販売に係る仕入についても、仕入税額控除ができます。

その場合、消費税課税業者になっていれば、仕入れの消費税は、申告すると還付になります。

還付については、税務署のチェックが入りますので、しっかり書類は保管しておいてください。

ところが、非課税売上に対応する仕入れについては、仕入税額控除が適用されませんので、

一般的に、仕入れの消費税は、還付されません。

社会保険診療報酬等に対する消費税も非課税ですので、

医療機関の仕入に係る消費税額(医薬品・医療材料・医療器具等の消費税額、病院用建物等の取得や業務委託に係る消費税額など)

社会保険診療報酬等に対応する部分は仕入税額控除が適用されず、

還付されません。

日本医師会は平成22年度税制改正要望で、社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度をゼロ税率ないし軽減税率とすることを求めています。

ゼロ税率になれば、輸出販売と同じく還付の可能性が高くなります。

国は、消費税を課税するとしている課税売上に係る消費税の総額を税収とすればよいのにもかかわらず、

非課税と定めた売上に係る前段階仮納付消費税を収納したまま還付しません。

非課税売上に係る消費税が国に仮納付されたままであることは不合理なことです。

社会保険診療報酬のみならず、以下のようなものが消費税の非課税取引になります。

◆主な非課税取引
(1) 土地の譲渡及び貸付け
(2) 有価証券等の譲渡
(3) 支払手段の譲渡
(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
(5) 郵便事業株式会社、郵便局株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
(8) 外国為替業務に係る役務の提供
(9) 社会保険医療の給付等
(10) 介護保険サービスの提供
(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供
(12) 助産
(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付
(15) 学校教育
(16) 教科用図書の譲渡
(17) 住宅の貸付け

住宅の貸付けは、アパート建築費用が高額になりますので、もし事業用の貸付けであれば、

消費税課税業者を選択すれば、還付の対象になる可能性が高いのですが、

住宅の貸付けは、非課税売上ですので、建築費用自体仕入税額控除できません。



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Posted by 税理士 内山篤  at 22:10Comments(0)消費税

2009年08月14日

地震があったり、災害があった場合考える

地震による東名高速道路の崩落は、ショッキングな映像でしたが、

天候も不順で、台風による災害もありました。

今日は、災害による税務です。

企業が保有する建物や機械、商品などのたな卸資産が被災した場合の評価損は、その年の所得計算上、損金に算入できます。ただし、災害に遭わなかった場合の時価との差額が上限となります。

また、建物や機械などについて、被災前の原状回復に要した費用は修繕費として損金処理できます。加えて、被災前の効用を維持するために行う補強工事や、土砂崩れなどの防止費用も修繕費とできますが、被災資産の復旧に代えて新たに資産を購入したり、貯水池など特別な施設を設置したりした場合は資本的支出となります。

大きな災害の場合、被災により申告や納税ができないケースも想定されますが、所管の税務署長へ届出を行うことで申告期限の延長や、納税猶予を受けられる制度があります。また、被災により会社の事務処理能力が低下した、緊急に設備投資が必要となったなどの場合には、「災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を提出することで、消費税の簡易課税制度の適用、不適用を変更できます。

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今日は、実家で家族と一緒に花火をやりました。

私は線香花火が好きです。

昔ながらの線香花火(少し高い)を買いました。少しだけパチパチ火花が散っている時間が長いです。

楽しい時間でした。  


Posted by 税理士 内山篤  at 22:11Comments(0)消費税